お蕎麦屋さんの大半は、店の入り口に暖簾が吊るしてあるところが多いけれど、
暖簾はお店が営業していることを示していたりお店の種類を示すなど
顔になるものです。
定休日のときには店主などがお店の中で保管していますし
営業時間外の場合も同じです。日中、飲食店などでは午後3時半ころから
夕方5時頃までは休憩時間になりますが、この間はそのまま吊された状態に
なっているけれども、準備中の看板が設置されているなど
お店の状況をこれらで把握ができるようになっています。
お蕎麦屋さんの場合は、少々特殊な暖簾の文字が使用されていることが
あるのですが、特殊な文字とは書体など文字の形ではなく一般的に
読むことができない人が多い漢字が使用されている点です。
お店により生蕎麦などのように読むことができる漢字が使用されている
ケースもあるのですが、昔の漢字で記載されていることからも生蕎麦などのように
読むことはできませんし、これを「きそば」などのように読めるのはある程度
年齢が上の人や雑学などの知識を持つ人になるのではないでしょうか。
仮に、暖簾に生蕎麦と記載してあったとしてもそれを「きそば」と
読むことができる人は少ないといえましょう。
横書きは古くは左から書いた
生蕎麦(きそば)とは、どのようなお蕎麦を意味するものなのか
暖簾の文字を読むことができてもその意味などを知らない人も多いことでしょう。
実は、生蕎麦は添加物を殆ど使用していない混ぜ物が極限まで抑えられている、
純粋な蕎麦粉を使ったお蕎麦の総称であり、十割などではないことを覚えておくと
良いのではないでしょうか。
つなぎとなるものが2で、蕎麦粉が8の割合だったとしても
純粋なお蕎麦であるなどの判断を店主が行えばそれば立派な生蕎麦になるといいます。
江戸時代では、関西地方のことを上方などのように呼んでいたのですが、
上方はうどんが主流であり当時の江戸は蕎麦がブームになっていた、
これまでうどんを提供していたお店が鞍替えを行ってうどんの製造工程内に
蕎麦粉を入れたなどうどんのような蕎麦のような麺も出回っていたようです。
そのため、純粋な蕎麦を提供するお店は差別化を図る目的で
暖簾に生蕎麦の文字を記載したなどの歴史があるようですが、
当時は右から左への横書きが一般的であり、現代では
その逆などから読むことができない人が多かったり、右から左への
横書きであることを知っていても、文字そのものが昔の漢字などからも
読めない人も多いわけです。
また、お蕎麦屋さんの暖簾には綿や麻などの天然素材を採用することで
より高級感や和の雰囲気を演出しやすいためお勧めです。